1962 グレッチ #6122 チェット・アトキンス カントリー・ジェントルマン / カーリーフレーム・トップ ビッグミュート !
(税込み)九十八万円 3680グラム



          

1962年製、みんなの憧れ「ビッグ・ミュート」仕様のカントリー・ジェントルマンがお買い得価格で入荷しましたよ〜。

どうですか、良いトラ杢でしょ〜!最高のルックスですよ。

ジョージ・ハリスンの1本目のカントリー・ジェントルマンとして有名なダイヤル・アップ式のダブル・ミュート仕様、通称「ビッグ・ミュート」ですね。

ビッグ・ミュートの生産時期は1960年頃にシングルカット仕様期のホワイト・ファルコンなどの上位機種への搭載から始まり、カントリー・ジェントルマンでも1961年最初期のシングルカット・モデルに初めて搭載が確認されています。

1961年後期にはカントリー・ジェントルマンにもダブルカットの導入が始まり、確認例がそれほど多くないので全てのスペックがそうなのかは分かりませんが、ダブルカット導入初期のカントリー・ジェントルマンはジョージ・ハリスンの所有機とは異なり、63年以降のテネシアンに見られるようなfホールに白い縁取りのあるスペックのモノがあるようです。

ジョージ・ハリスンのカントリー・ジェントルマン1号機のスペックの特徴は
●「ダブル・カッタウェイ」
●「ダイヤル・アップ式 ダブル・ミュート(ダブル・ビッグ・ミュート)」
●「フレーム・メイプルトップ」
●「白縁無しfホール」
●「ステアステップ・ボタン仕様のグローバー・インペリアル・ペグ」
●「フロント、リア共にフィルタートロンPU」
といったところでしょうか。

因みに彼のカントリー・ジェントルマン2号機であるスモール・ミュート・モデルは、上記の仕様からダブル・ミュート部分がレバーのオン/オフ・システムに変更されており、更にはボディ・トップがプレーン・メイプルであるという特徴があります。

今回のギターと同スペックであったジョージ・ハリスンのカントリー・ジェントルマン1号機はビートルズのツアー中に機材車がそのギターを高速道路で落下させ紛失してしまったというとんでもないエピソードが伝わっています。

このスペックのモデルはジョージ・ハリスンとドンズバでありながら生産時期も極短く、非常にレアなオールド・スペックである為、ヴィンテージ・ギター・マーケットに於いては昔から常に高嶺の花として扱われてきたモデルです。

さて、今回入荷したギターに話を戻しますと、基本的な状態はかなり良いです。

初めにお買い得な理由を明記しておきますと、写真で確認頂けるようにネック・グリップ部分の「ヘッド・リペア歴」があります。

リペア部分は塗り潰しの塗装で隠されているのでクラック幅を確認する事は出来ませんが、ヘッド・フェイス側にはクラック・ラインや補修歴は見られないので、所謂「ヘッドが折れて一度完全に分離した」状態ではなく、グリップ部分側のみの「クラック修復」痕であると推測されます。

(※注:写真で確認できる大きなクラックラインの様なものは木部のクラック跡ではなく、塗装の経年変化によるウェザー・クラックです。)

ギブソンやマーチンの場合は多くがマホガニー・ネックなのでヘッド折れトラブルはちょくちょく聞きますが、グレッチのホロー・ボディ・モデルの場合はメイプル・ネックなので実は折れて取れてしまう様な「ヘッド折れ」というのは殆ど聞いたことがありません。

あったとしてもグリップ部分側のみの「ヘッド・クラック」ですが、それよりもグレッチの場合はヘッドやネックに衝撃を受けた場合、ヘッドが折れてしまう前にヴィンテージ・グレッチ・ギターの弱点ともいえるネック・ジョイントが外れてしまうというトラブルに見舞われていることが多いです。

今回のギターのネック裏のリペア痕については既に塗装面にウェザー・チェックが浮かんでいる程の古い修復跡ですがリペア自体はきちんとしており、使用上の問題はありません。

ヘッド・フェイスにはクラック・リペア時に施したと思われる極薄いクリアのオーバー・スプレーが確認できますが、木部の痩せもありかなり良く見ないとオリジナル塗装との判別は難しいレベルで、テカテカのいかにもオーバー・スプレーしました、という状態ではありません。

尚、先述の「ヴィンテージ・グレッチ・ギターの弱点」として挙げたネック・ジョイントに関しては、このギターについてはオリジナル・セットの状態で修復歴も見られずジョイントに隙間も無く全く問題無い状態です。

以上が「お買い得」の理由となっているリペア歴の説明です。

再びこのギターの「オイシイ」ポイントを挙げてゆくと、まずは非常に稀少なビッグ・ミュート。

やっぱりカッコいいですよね、主張が強いというか、スモール・ミュートよりも存在感がありますよ。

ヴォリューム・コントロール・ノブと同じダイヤル・ノブを回転させることによって、「1〜3弦」と「4〜6弦」に分かれたミュート・パッドを上下させて各ブロックの弦をミュートする、という当時の最先端アイデアですね。

因みに、この2ブロック分離式の「ダブル・ミュート」を採用しているのは最上位機種の「ホワイト・ファルコン」とこの「カントリー・ジェントルマン」の2機種のみで、同じ年代の製品であっても次のグレードといえる「カントリー・クラブ」や「ナッシュビル」では1ブロック式の「シングル・ミュート」が採用され差別化が図られています。

そしてこのギター、ボディの「フレーム・トップ」が凄いですよね、角度によってはかなり強烈なカーリー・フレームが浮かび上がってきて、かなりカッコイイです。

先述のリペア部分以外は、塗装もオリジナルで非常に艶がある良好なコンディションで、カタログ表記の「リッチ・マホガニー・ブラウン」の色抜けも控えめでオリジナルの色味も良く残っていると思います。

ピックアップ・カバーを始めとした金属パーツ類のゴールド・メッキも残っている方で、ありがちなピックガードやPUリングのプラスチック・パーツ類のクラックも無くトータルのコンディションは非常に良いギターです。

ストレート・バーのブリッジ・サドルと、ブリッジのアジャスター・ダイヤルについては古いリプロダクションのパーツに載せ替えられているようですが、古いパーツなのでメッキの落ち具合や錆具合も自然でこのギターによく馴染んでいます。

ボディ内部に組み込まれたミュート・ユニット、裏蓋、ボディ裏パッド、はオリジナルですが、ミュート・パッドのスポンジについては流石に交換されています。

ボディ裏のバック・パッドの劣化についてはネック・グリップに次いで最もよく触れる部分でしかも初期モデル特有の布製なので60年近く前の製品という事を考えるとこれは当然のコンディションですね。

それ以外のインペリアル・ペグ、ノブ、スイッチ、フィルタートロン・ピックアップ、ピックガード、PUリング、ビグスビー、といったパーツは全てオリジナルです。

60年代のグレッチの弱点の一つといえるバインディングの劣化についてですが、このギターの場合はネック・バインディングにクラックが複数確認できますが、それぞれの箇所で接着剤により丁寧なタッチアップ処理が施されており使用上の心配はありません。

ボディ外周部のバインディングに関しては1本もクラックが無い完璧な状態です(6弦側のボディ・ネック・ジョイント部分の短いバインディングにのみクラックが確認できますが、砕けて剥離してしまうような状態ではありません)

スペック以外の楽器としての部分についてですが、まず大切なネック・ジョイントは非常にタイトでアングルもしっかりしている為、ブリッジ高も良好で、弦高も十分に弾き易い高さでセット出来ています。

フレットは恐らく打ち替えられているので、真っ黒なエボニー指板、メイプル・ネックの状態も良く、ビビり、音詰まり無く演奏できる良好なコンディションです。

箱の生鳴りもミュート・システムを組み込まれている割には悪くなくしっかりと鳴っていて、特にアンプを通した時のサウンドはバッチリ、フィルタートロンらしい艶と厚みが感じられる黄金期のグレッチのサウンドです。

あと、特筆しておきたいパーツはインペリアル・ペグの階段状の通称「ステアステップ・ボタン」ですね。

64年頃から同じインペリアル・ペグという名称を引き継いだまま丸角の四角い形状の通称「キドニー・ボタン」タイプに仕様変更されますが、このちょっとしたパーツのスペック変更でヘッド部分の見た目というか存在感が全く変わってしまうんですよね〜。

古くは30年代のギブソンのスーパー400やグレッチのシンクロマチック400、そして50年代のホワイト・ファルコンといった最上位機種に採用され続けてきた伝統あるデザインですから、ステアステップ・ボタンはやっぱりカッコいいですよね〜。

今回のスペック、もしヘッド・クラック・リペア歴が無ければ軽く2倍越えの価格設定になっていることは確実です、高嶺の花「ビッグ・ミュートのカントリー・ジェントルマン」を遂に手に入れられるチャンスですよ〜!