1956 ハーモニー カリビアン H1007 / スプリング・グリーン
十九万八千円 1540グラム



          

ヤバいでしょ!カッコ良すぎでしょ!

アコギにこんなデザインがあったんですね、しかも50年代ですぜ!

「ハーモニー」ブランドのギター「カリビアン」です、この手の小振りなギターはパーラー・ギターなどとも呼ばれていますね。

手元にある1956年の「ハーモニー」社のカタログに「ステラ」ブランドと共に「ホリデイ・コロラマ・カラー」シリーズとして掲載されています。

便宜上手元のカタログ資料がドンズバ・スペックなので1956年製という事にさせて頂きますが、調べたところでは生産年は1955年ー1958年となっていて正確な年式の確定は出来ません。

ボディ内のスタンプは「H902」とあるのですが、カタログによるとモデル・ナンバーは「H1007」で、フィニッシュ・カラーの名称は「スプリング・グリーン」とあります。

鮮やかで爽やかなカラーもさることながら、目を引くのは銀色に輝く金属板です!

なんとアルミ板をアコギの振動の源であるボディ・トップにネジ留めして固定しているんですね〜!

このクローム調の金属板はカタログ上でも「ハーモメタル」と自慢げに紹介されているわけです、これがウリのデザインだったんですね〜、ハーモニー侮れません!

当時のデザイナーが主張したんですかね「マジこっちの方がカッコいいって!」とかなんとか、、、いやぁこれを採用した会社も凄いです。

確かにサウンド設計を突き詰めたようなギターではありませんからね、この遊び心は最高ですよ、だって今の時代絶対こんなのやらないじゃないですか。

当時、この手の50sデザインのお洒落な小型ギターは「ハーモニー」と「ステラ」の2ブランドで各6色づつ計12色展開されていました。

そのパーラー・ギターの12本を含め、アーチトップ・モデルや、ソリッド・ボディ・モデルなどでビビッドなカラー・フィニッシュ・シリーズを「コロラマ・ギターズ」と銘打ち展開していたようです。

ナチュラル・フィニッシュか、サンバースト・フィニッシュ、シースルー・ブラウン・フィニッシュがほとんどの時代に於いて、これはかなりのインパクトですよね。

パーラー・ギターというと小型で見た目だけのお遊び用のいい加減な造りだろうと思われるでしょうが、、、全くもってその通りです。

当店も昔は気にも留めてませんでした、ところが現地で久し振りに見かけて気まぐれで触ってみたところサウンドはバッチリ乾いたヴィンテージ・トーンだったんですね、うおぉぉっ!と。

どうせガッカリしちゃうようなしょぼい鳴りなんだろうと思っていたのでショックでしたよ、でもこのルックスで良い音がすると思うわけないじゃないですか、猛省してます、ハイ。

勿論マーチン、ギブソンには敵いませんよ、そこは全然です。

ただヴィンテージとしてのアイデンティティはしっかりと持っているのが魅力です、このサイズの現代のギターでは出ない響きですね。

木材はボディ、ネック、指板全て「バーチ材」です、ローズやら、マホガニーやら、メイプルやら、スプルース、そんなお馴染みの材は一切使用していません、ローコスト・モデルですからそこは当然です。

ただ弦長スケールが24 1/4インチ・スケールということで意外とちゃんとしているんですよ。

ギブソンのレスポール等の24 3/4インチ・スケールの所謂ミディアム・スケールよりは若干短く、フェンダー・ジャガー等の24インチのショート・スケールよりも若干長めということでテンション感はバッチリなんです。

決してリッケンバッカーのジョン・レノンモデルの様にルーズになりがちなチューニングを安定させるために太めのゲージを張る必要がある、といったことはありません。

ライトゲージでバッチリです。

グリップ・シェイプは太めのトライアングル・シェイプですが、極太というほどでもなく特にローコードは非常に弾き易く快適です。

そもそもが12フレット・ジョイントのモデルなのでハイ・ポジションをガンガン弾くようなギターではないワケですが、ロー・コードを鳴らした時の現代のギターには無い乾いた響きは絶品です。

サウンド・ホール位置よりもややブリッジ寄りの位置でストロークをするとより力強いトーンを堪能できます。

この手のパーラー・ギター、やはり基本的にはラップスチール・ギター並みに弦高が死ぬほど高く、ネックがスキーのジャンプ台の如く反っていたり、指板修正不可能な程捻じれていたり、指板が剥がれていたり、ネック・ジョイントが外れていたり、ボディ内部のブレーシングが剥がれていたり、ボディにクラックが入っていたり、トップ板がたわんで歪んでいたり、、、そんなの当たり前です、驚きもしません。

だから今まで手を出さなかったのですが、ただアタリの奴はめちゃくちゃ良いヴィンテージ・サウンドであることに気が付いてしまい、元々の鳴りが良くて手を加えて調整できるコンディションのモノを厳選して仕入れ、当店で納得できるプレイアビリティとトーンになるまで追い込んでの販売です。

今回のギターもオリジナル性を損なわない程度に、諸々必要と思われる作業をリペアの方でかなり時間をかけて様子を見ながら施してもらいました。

アメリカで見つけて持ってきただけという吊るしの状態ではありません。

「枯れた良いヴィンテージ・トーン」で、「心地良く弾けるギター」に仕上げてあります。

この手のギターを知ってる人からすればあまり乗り気にならないかもしれませんが、是非触ってみて判断してください。

ナットは交換されていますが、それ以外のパーツ類はオープン・バック・ギヤの3連ペグ、テイルピース、ブラス・フレットも含めて全てオリジナルだと思います。

ネック・ジョイントも問題なく、ネックも真っ直ぐで、フレットの減りもさほどなく、ビリつき音詰まりはありません(2弦と6弦の15フレットがちょっとあやしいですが)。

弦高は12フレット位置のフレット上面から弦の下面までで1弦側約2.0mm、6弦側約2.0mmです。

ボディ・バックの中心部に2箇所に約3センチのクラックが並行して走っていますが、サウンドには影響ありません。

このルックスで、このサウンド、結構感動モノですよ。

かっちょええっ!と思ったら是非、試しに来てください。